シルク2020年度1歳馬募集予定リストから、種牡馬ごとの配合イメージ掘り下げ② ドゥラメンテ&モーリス編
お次は層の厚い今年の新種牡馬勢の中でもとびっきりの注目度、ドゥラメンテとモーリスの12頭!(多いな)
この2頭は早期デビュー組産駒の結果次第で1次募集での人気ぶりもブレてくると思われるので、そちらも注意深く見ていかねば。
※なお各馬の印象に関しては価格&厩舎を一切考慮せず書いている。
まずドゥラメンテから
産駒のおおまかなイメージとして、枝の長いしなやかなシルエットと筋肉を伝えやすい。基本的に気性がアレ。若いころは後肢が緩め。それでもルーラーシップと比較すると早期からスピードや俊敏さを発揮しやすいと思う。
適性も想像通り芝のマイルから中距離に寄るだろうから、クラシック狙いにいくならある程度体質を締めたり立派なケツと強い腰を得ようとしたりするのがベターなのだろうか。
だいたいベースはこんなとこからだね。
コケレールの19 牡馬 (母父Zamindar)2/8
シルクにコケレールがくるのはラヴィエベール以来ですな。あれも戦ってた相手やパフォーマンスからしてOP級のモノはあったはずで、惜しい馬だった。
その後の子供たちもみな確かな力は見せているので、繁殖としての資質は高いんだろう。
ナスキロにボトムはフランス牝系、The Minstre≒Nijinsky持ちでGone West系だから
スラっと手足も胴も長い軽い芝向きの大箱中距離馬、って感じの馬を量産しそうなタイプ。
イメージとしては大柄でもボディラインのスラッとしたしなやかな軽い造りの見栄えのする馬が出てきそう。
母産駒はどうしても体質的な弱さがついてくる印象だからその辺留意しつつ
緩すぎないか?、筋力、体幹、このあたりをしっかり確認したい。
アドマイヤラクティ以来なかなか大成する馬を出せずにいる母ももう立派なおばあちゃん(失礼)
晩年に若々しいドゥラメンテを迎えた産駒。
Northern Dancer3×4の母にNureyev≒Fairy Kingでナスペリ継続クロス、これにドゥラメンテはサンデー持ちなのでルーラーシップだと上手くいくパターンですな。
ドゥラメンテの牝馬でこのクロスだと気性的にかなり怪しさ出そうな気もするが、形はオーソドックスにツボを突いていると思うので
ドゥラメンテらしい緩さが上手く調和されていたり、配合形通り筋肉量豊富だったり
そういう部分が表現されていると「おっ」と検討してみたくなる馬かもしれない。
ハイドバウンドの19 牝馬 (母父Grand Slam)2/7
まあ見ての通りハイドバウンドはNumbered Accountの母系でかなり硬さ頑強さに振った血統構成、クロスもそんな部分にしか触れておらず
Gone Westが一人で頑張って最低限日本の馬場に対応させている、みたいな印象。
唯一芝でもそこそこ走った産駒はハーツクライとの配合で、さもありなんという感じですな。
ドゥラメンテとの配合ではキンカメのミスプロ、Sex Appeal、Specialとアクの強い箇所全てに触れる形になるので実に扱いにくいw
が、ここまでデビュー済みのドゥラメンテ産駒を見るにつけ、気性面の幼さはしょうがないとして
やっぱり若いころは基本的に緩さの目立つ子が多い。このあたり、しなやかさと表裏一体の部分はそれこそハーツクライやルーラーシップ等とも似ているね。
というわけでトニービン族の種馬として考えるとこういうアプローチも悪くないのでは? と思わなくもない。
どんな馬が出てくるか正直想像つかないのでこれは実際に動画で見てからだなあ。
プリティカリーナの19 牝馬 (母父Seeking the Gold)1/18
大きな期待を受け続けていたプリティカリーナもここまで大物を出せずいい歳になってしまった。(失礼)
This isアメリカ~ンな力強いスピードを確実に伝えるものの、如何せん一本調子でメリハリがなく
どのサンデー系とでも絶妙に残念な産駒を量産している。
んで今回はドゥラメンテ。
何気にミスプロの継続クロスになる形は初めて。というかサンデー直系以外との配合自体初めて。
ワンチャンある? のかなあw
とりあえず体質的な危うさを匂わせる馬でなければ最低限の結果は出すだろうし、さすがにもう落ち着いたお値段で登場するだろう。
そういう意味では検討の余地ありそう。わりと楽しみにしてる。
ルシルクの19 牝馬 (母父Dynaformer)1/23
名前遊びをキッカケに(想像)シルクに流れてきて最初の産駒がグランシルク。
以来派手さはなくともコツコツ結果を出してきたお馴染みの優良繁殖ももういいお歳に。(失礼)
なんかドゥラメンテはこんな相手ばっかだな。
正直近年の産駒には尻すぼみ感があるし、シンプルに見た目のデキと成績が直結するタイプ。
グランシルクなんかは5秒で「これはOP馬ですわ」とわかるくらい良い馬だったもんね。なお普通に抽選お(ry
ルシルクの子は牝馬でも大きく出やすいし、気性的な危うさもあまりなく、ナスペリと1/4非Northern Dancerになる母父Dynaformerの血統もドゥラメンテにはベターなはず。
これもよっぽど体質面でヤバそうな場合以外は最低限の結果は堅かろう。わりと楽しみにしてる。
ここからモーリス
産駒の大まかなベースイメージは、大柄な子が多い。シルエットはだいたいモーリス。血統表内の弄る部分によってわりと多様なタイプが出る。案外Tom Fool的な捌きを受け継いでいる。ラトロ肩っぽいのはそんなに多くない。見た目の印象よりも動かして緩さのある馬が多い。丈夫そう。後肢の構造からするとバネ感が足りずあんまりキレそうにない。基本的にちょっとトップスピードが足りない感じ。
動かしたら動けちゃうし仕上がりそのものは早かったりするけど、それと中身のデキ具合はまた別のお話。
東京とか京都で差し損ねてきて、腰がパンとしたあたりから中山で唸るような脚を使って本格化みたいなのが成功パターンぽい。要するにモーリス感が強い。
あくまでも個人的な印象だけど、、、
サンデー・Roberto・デインヒルなダノンプレミアムとか
方向性としてはこんな感じでRobertoの怪物感を醸し出す馬が見つかるといいなあ。
大好きなんだよRoberto。この辺を念頭にグラス最強再びみたいなやつ見つけたい。。。
シュペトレーゼの19 牡馬 (母父ディープインパクト)3/16
母はもう一口民にはお馴染みショアー産駒という事でディープインパクト×ドイツですね。
この血統も堅実に走らせてくるものの、大きな期待には今一歩応えられていない。
未勝利に終わったシュペトレーゼ自身の産駒も概ね1勝級がいいとこで、正直繁殖能力そのものに疑問符が……。
で、モーリスが付いてサンデーサイレンス4×3とNorthern Dancer、Lyphardのクロス。
モーリス産駒の現状を見ると(ゆーてまだ2週分しかないけど)Northern Dancer強調型自体は特別悪いと思わない。とはいえ、
自身がすでに濃厚こってりNorthern Dancerマシマシなので、スピードを出しつつ緩さを和らげるにはやっぱり少し捻ったアプローチが必要ではなかろうか。
せめてもっと相似配合的に持っていって力技で誤魔化すとかね。
けどモーリスの持つ血との相似配合ってどいつもこいつも主張の強い血脈ばかりであんまり仲良しこよし上手く付き合える気がしないんだよなあw
相似配合的に持っていくならジェンティルドンナとかヴィルシーナよりはアロマティコやモルガナイトにレネットグルーヴみたいな形の方が好みだね。
(以下豪快に脱線)
望田先生曰く、あのモーリスの緩い後ろ繋ぎはメジロモントレー由来だそうで
早期から強く速く走らせるには後肢の構造に影響を与えるような一捻りがいるのだろう。
(この辺はStallions in Japan 2020で歩様を見てみれば伝わりやすいと思う)
なんせモーリス産駒は見た目がだいたいモーリスになるもんで、馬体構造的な遺伝力が相当に強い。
では残りの3/4部分のどこをどう弄るのがベターなのだろうか? というお話。
ここは普通にTom Foolを触る以外のポイントから考えてみる。
Specialに触るのはわりとアリかな~と思ってたりした。もっといえばForliやFair Trialですな。
でもカーネギー成分弄るのはナスペリやナスキロ積むのと同義なので、緩さの解消や基礎スピードを増幅するという視点とは別の話になってしまうかな。長い目で見ればこれはこれでアリなのかもしれないけども。
ここはシンプルにスクリーンヒーローが伝えるマイラー的なパワースピードを引き出しつつ、わかりやすいアメリカンな手先の強さを補強する方向がいいのか?
そもそもモーリス自身がマジックゴディスとの脈絡でダイナアクトレスの華麗なスピードを引き出すスクリン産駒の典型的成功例だったわけでね。
(のっけから脱線しまくってるけど気にしない)
モーリスの初年度産駒の中からパッと目に付くところだと、、、
ちょっと極端で母同様ダートの単距離に振れそうだけど、Icecapadeが1本入るだけの非Northern Dancerで
母父にRoman3×3のFit to Fight、自身はBold Ruler4×4のNever Bend持ちなアースサウンドの18とか。
Northern Dancer5代アウトでサンデーサイレンスの4×3、1/4非Northern Dancerの部分が今風の凄いパワースピードに溢れる名繁殖シンコウエンジェルでついでにTom Fool持ちのクィーンズバーンの18とか。
ラスティックベル牝系でNorthern Dancer5代アウト、母父クロフネのサンデーサイレンス4×3なクロノロジストの18とか。
こういうタイプがどう転ぶのかは気にしておきたいかな。
ラトロ肩の呪縛をどこか遠くに忘れてきたモーリス自身同様、前肢が綺麗に伸びるTom Fool的捌きの産駒が割と多いし、ここにサンデークロスやRed Godをついでに合わせてランニングヒロインとニアリー作ってみたりするのもスピード出すには面白そう。
色々と考えてみて感じたけど、やっぱりエピファネイアと同じくモーリスでもキンカメ&サンデーを合わせるパターンは配合のキーっぽいな……。
キンカメにTom Foolといえば数々の大物を送り出した組み合わせだし。
疑似砂黄金トライアングル的なアプローチにもなる。
あとAmerifloraとKingmamboのニアリーを使って手先の強さと強靭なケツをGETするみたいな手段とかもアリじゃない。
大変だシュペトレーゼの話ほとんどしてないw
この馬にはあまり興味ないってことで…。
ルミナスグルーヴの19 牡馬 (母父アグネスタキオン)5/14
なかなか繁殖として結果が出ないルミナスグルーヴ。祖母ソニックグルーヴはダイナカール牝系にしてはフレンチデピュティの影響が強いのか、わりと締まりの強い産駒を出してくるタイプ。
これにアグネスタキオンで本馬のクロスがサンデーサイレンスの4×3とノーザンテースト5×5なわけだけど、やってることは理にかなっているかと思う。
ただし母の産駒は母自身もそうであったようにサイズ面が付いてこない。
同系のスペシャルグルーヴにおけるグルーヴィットのような存在になれる可能性は無きにしも非ずだろうが、まずはサイズと体質がどんなもんかを注視したいかな。
レーヌドブリエの19 牡馬 (母父ゼンノロブロイ)2/28
やってきましたロマンの塊、泣けるメジロ配合! メジロモントレーとメジロドーベル経由でのメジロボサツの5×5!
さらにサンデーサイレンスとノーザンテーストのクロスで相似配合的にまとめてきた。
メジロ牝系にゼンノロブロイで芝の中距離をナタ斬れていた母レーヌドブリエでどの程度スピード出るのか未知数ではあるが、牡馬でもあるしこれは夢見てみたくなるよね。
まあほっといても一部の配合オタクに人気沸騰するだろうから、これに関してはとにかく測尺&動画まで見てからですな。
安心と信頼のノーザンファーム洞爺湖印なのでそれだけでも検討の価値ありかと。
レッドジゼルの19 牡馬 (母父アグネスタキオン)3/12
東サラ血統スタイルリスティック産駒の3勝馬レッドジゼルがシルクに回ってくるとは新鮮な驚き。
スタイルリスティックはそのままStorm Cat×Robertoって感じのパワーとスピードを伝え、そこにサンデー系の筋肉を合わせることで日本の芝向きにアジャストさせてきてる。みたいなところだね。
母父アグネスタキオンの賞金上位馬たちからも想像できるように、レッドジゼルもスタイルリスティック的な特徴をそのまま産駒に伝える感じになるんじゃないかな。
初子のレッドアダンを見ても、ルーラーシップ産駒だけど気が勝ってるからマイル付近で高速大箱なんかよりは中山に向く。そんな馬だしね。
モーリスとの配合ではサンデーとSilver HawkとNorthern Dancerのクロスになってより一層スタイルリスティック的な面が強調されそうなんだけど、モーリスを早期から力強く走らせるには案外アリなアプローチだと思う。
速く走れそうか? は馬を見てからの判断だね。
何気にこれでアグネスタキオンの所だけ完全な1/4非Northern Dancerになるのも良い。
(Icecapadeがなけりゃな~。もっと個人的なポイント高かった)
面白そうな馬だと思ってるから楽しみにしてる。
アイスパステルの19 牝馬 (母父Shackleford)1/12
アイスパステルはアメリカの名牝メイプルジンスキー(Dayjurの姉)とサンデーサイレンスの子ミリオンギフトに、レディジョアンの半弟Shacklefordという配合。
競走馬としての結果は残せなかったけど、モーリスとの組み合わせはなかなか面白そう。
まずミリオンギフトのアウトラインがサンデー×ニジンスキー×ミスプロなので胴伸びがあって足元の造りが素軽いフレームをイメージできる。
そこにどっからどう見てもこれがアメリカだと言わんばかりの突進力とマッチョで愚直なパワースピードを伝えそうなShacklefordが付いたアイスパステルは血統通りの馬だった。弱かったけど。
モーリスでサンデーサイレンスの4×3、アイスパステルが抱える米血たちも日本に合う血ばかりだから日本の馬場への適応という意味では問題なかろう。
米血ゴリ押しアイスパステルとの配合ではメジロフランシスの欧血が良いアクセントになるよね。
これが牡馬ならな~。という感じである。
エクレールアンジュの19 牝馬 (母父ゼンノロブロイ)3/10
エクレールアンジュはクラフティワイフの牝系で祖母がアドマイヤキラメキなので、トーセンスターダムの妹にあたりますな。
初子の3歳ロードカナロアはどうも喉が悪いようで未デビュー。2歳のヘニーヒューズもこの時期から入厩して順調に調教を積んでいたものの、デビュー間近で体調を崩していったん放牧となった様子。
エクレールアンジュ自身も色々と悪いところがあってなかなか進まず、結局は喉が悪く見出走引退。
どうしてもそういう部分が付いて回る血統みたいだなあ。
そういう意味では健康度に定評のあるモーリス産駒というのは良さそうか?
正直あまり興味が持てないかな……
オーシャンビーナスはトニービン×クラフティワイフのニックス配合で、この系統の確かなスピードを受け継ぎ芝のマイル~2000でしっかり一足使ってくる見どころのある馬だった。
が、産駒はここまでカナロア・クロフネ・フラッシュで結果が出ていない。
なんでだろうなあ?
サンデーサイレンスの4×3はともかくカーネギーとバレークイーン経由でのSadler's Wellsクロスはさすがに鈍重さを増す予感しかない。牝馬でこの手は違う気もするし、静観かなあ。