シルクホースクラブ2020年度1歳馬募集検討本チャン全頭評価記録② 募集番号11~20
前文
今年は特に平均値が高い当たり年になる感触なので、楽しんでやっていきたい所存。
各馬の評価はあくまでも個人的な意見だし、都合のいい解釈も多いと思うので
見られる方々は「そんな風に考えるんだ、ふーん」なくらいのスタンスで流し見たってくださいな。
基本的に自分のための備忘録でしかないのでね。
僕の今の馬選びは配合6馬3厩舎1くらいの割合。
何よりもベースの配合評価から立ち姿や歩様動画を見て、個体としてその馬がどんな馬なのか? 擦り合わせていく。
UR SSR SR R NR C の6段階で評価付けとく。
UR(G1レベルまでいけんじゃね?)
SSR(これはOP馬。さらなる上振れまであるやも)
SR(OPレベルでやれそう)
R(上級条件まで見込みアリ)
NR(とにかくまず1つ勝てるといいね。1~2勝級)
C(まともにレース使っていけるといいね)
それぞれこのくらいのニュアンス。基本的に甘め。
※募集馬の『脚』について。
もう数年前からノーザン育成馬に関しては脚の細かい部分は気にするだけ無駄でだいたいどうにかしてくれるのであまり考えすぎないようにしている。
さすがにこれは……というレベルのモノ以外は個体の癖の1つとして受け入れていく姿勢で。
※赤字は事前の配合評価記事内からの抜粋。
11. ツルマルワンピースの19 ハービンジャー メス 164.0 179.5 20.6 482
「SSR」
最初に写真を見た第一声「なんやこの風格w」
歩様まで見ると初めてテニスのウィリアムズ姉妹を目にした時くらいのパンチ力はあった。
彼女たちはその後圧倒的なフィジカルであっという間に女子テニス界を席巻したが、如何せん競馬界はそういうわけにもいかんじゃろう。
同じフィジカル優位の牝馬でも例えばダイワスカーレットやジェンティルドンナやラッキーライラックなんかにはトップレベルのスピードも備える血統的裏付けがあった。
いやまあこの辺を比較対象にするのはズルいか。
牡馬なら今度こそ四の五の言わずポチったけどね。牝馬だからなあ。
デキは確かに申し分ない。ブラストワンピースの募集時よりもハッキリ良い。ヴィクトリアピースのような馬体構造的な危うさもない。
それでも実際これでどれだけ速く走れるのか? はやってみんとわからん。
サイズ感からしても、兄とは違って牝馬で軽いスピードも出そうなんてイメージも湧かんしなあ。
ブラストワンピースの全妹。オルフェーヴルとの間にホウオウピースフルも出た。
なかなか主張の強い母で、特にフィジカル面の強さを確実に伝える。
ナスペリオン+NijinskyというハービンジャーのHasili弄り黄金パターンなわけだけど
実際のところ母父キンカメとでは Northern Dancerが多くなりやすすぎるが故に割と当たりハズレも激しかったりする。
とはいえ、母の繁殖ポテンシャルの高さはもう疑う余地もないので
単純にデキとお値段とご相談ってところやねえ。
12 .コケレールの19 ドゥラメンテ 牡 165.0 176.5 20.5 462
「SR」
イメージ通りやね。ストライドで差す芝の大箱中距離馬。考えてたよりさらに大柄に出た感じはするけど、これは良いコケレール。
ドゥラメンテになってやはり緩さも目立つしそれでこのサイズだからぼちぼち時間がかかるタイプかな。
そこは牡馬でもあるし適性条件的に長く楽しめそうなのも良い。3000万なら値ごろ感あって面白いんじゃなかろうか。
あんまり大きくなりすぎると怖いなあと思うがリスクとしてはそこと勝ち上がり間に合わない可能性くらいか。
ただやっぱりドゥラメンテの相手としては母がThe Minstrel≒Nijinsky4×4持ちで、一発長打とまではいかないと考える。
シルクにコケレールがくるのはラヴィエベール以来ですな。あれも戦ってた相手やパフォーマンスからしてOP級のモノはあったはずで、惜しい馬だった。
その後の子供たちもみな確かな力は見せているので、繁殖としての資質は高いんだろう。
ナスキロにボトムはフランス牝系、The Minstre≒Nijinsky持ちでGone West系だから
スラっと手足も胴も長い軽い芝向きの大箱中距離馬、って感じの馬を量産しそうなタイプ。
イメージとしては大柄でもボディラインのスラッとしたしなやかな軽い造りの見栄えのする馬が出てきそう。
母産駒はどうしても体質的な弱さがついてくる印象だからその辺留意しつつ
緩すぎないか?、筋力、体幹、このあたりをしっかり確認したい。
13. ルシルクの19 ドゥラメンテ メス 156.5 175.5 20.0 465
「SR」
久々にルシルクで興味惹かれる馬が出てきた。
ドゥラメンテの柔軟性とルシルクのパワフルさがそれぞれ良い塩梅で表現されていて好印象。測尺も文句なし。
配合の狙いがばっちり出てる。
見た目は母方の影響強くマイラーっぽいね。
ドゥラ牝馬でこの雰囲気、気性面が気になるところはあるけど個人的には活気があることをプラスに捉えたい。楽しませてくれるだろう。
名前遊びをキッカケに(想像)シルクに流れてきて最初の産駒がグランシルク。
以来派手さはなくともコツコツ結果を出してきたお馴染みの優良繁殖ももういいお歳に。(失礼)
なんかドゥラメンテはこんな相手ばっかだな。
正直近年の産駒には尻すぼみ感があるし、シンプルに見た目のデキと成績が直結するタイプ。
グランシルクなんかは5秒で「これはOP馬ですわ」とわかるくらい良い馬だったもんね。なお普通に抽選お(ry
ルシルクの子は牝馬でも大きく出やすいし、気性的な危うさもあまりなく、ナスペリと1/4非Northern Dancerになる母父Dynaformerの血統もドゥラメンテにはベターなはず。
これもよっぽど体質面でヤバそうな場合以外は最低限の結果は堅かろう。わりと楽しみにしてる。
14. ハイドバウンドの19 ドゥラメンテ メス 161.0 176.5 20.0 447
「NR」
動かすとすっごくドゥラメンテっぽい。
まだ腰が甘めで突っ込み気味に歩くが手先の強さは感じさせる。気持ちも強そう。
すこーし右前が気になる。
決して悪くないとは思うんだが、反発しあいそうな要素が全部表現されてる感じで
どういう適性の馬に育っていくのか読みづらい。
5代で見ればアドマイヤグルーヴのところだけが完全アウトになってて、3/4ノーザンダンサークロスのナスペリ強調型ドゥラメンテとして考えると
ハイドバウンドのNumbered AccountとSex Appealを通じるBuckpasserクロスの硬質さもほどよく表れているのが悩ましさに拍車をかける。
逆にいうとそのNumbered Account≒Sex Appealクロスのドッカンパワー成分が現時点でもかなり滲み出てきていて、それが本馬にとってプラスに働くの? って話ですわね。
牝馬に出たこともあるのか体質面だけなら芝馬なのでは? と思ったりもするんだけど。恐らく走らせたらただの力馬ってオチなんだろうなあ。
ぶっちゃけどうなるのかよくわからん。気がついたらダートで走ってそう。というイメージだけは堅い。
まあ見ての通りハイドバウンドはNumbered Accountの母系でかなり硬さ頑強さに振った血統構成、クロスもそんな部分にしか触れておらず
Gone Westが一人で頑張って最低限日本の馬場に対応させている、みたいな印象。
唯一芝でもそこそこ走った産駒はハーツクライとの配合で、さもありなんという感じですな。
ドゥラメンテとの配合ではキンカメのミスプロ、Sex Appeal、Specialとアクの強い箇所全てに触れる形になるので実に扱いにくいw
が、ここまでデビュー済みのドゥラメンテ産駒を見るにつけ、気性面の幼さはしょうがないとして
やっぱり若いころは基本的に緩さの目立つ子が多い。このあたり、しなやかさと表裏一体の部分はそれこそハーツクライやルーラーシップ等とも似ているね。
というわけでトニービン族の種馬として考えるとこういうアプローチも悪くないのでは? と思わなくもない。
どんな馬が出てくるか正直想像つかないのでこれは実際に動画で見てからだなあ。
15. シュペトレーゼの19 モーリス 牡 158.0 177.0 21.0 454
「NR」
これは単純にデキが良い。まさかこんな測尺で出てくるとも思わなかった。
なかなか弾力性も高くていいんだが、形や歩様はやっぱりモーリスが強く相応の緩さも見られる。
ここまでこの手のモーリスらしいモーリス産駒がイマイチなのでどーにも。
サンデー系入れてルーカスを柔らかくした感じのが軒並み中途半端なんだよなあ。
牡馬なら勝ち上がれさえすれば時間的猶予はあるし、そこに賭ける価値もあるお値段とデキだとは思う。
個人的にはモーリスは柔軟性の高い馬よりも強靱さを表現してる馬を選んでみたいところ。
※シュペトレーゼの項はほぼほぼシュペトレーゼの話してなかったから大幅カット()
母はもう一口民にはお馴染みショアー産駒という事でディープインパクト×ドイツですね。
この血統も堅実に走らせてくるものの、大きな期待には今一歩応えられていない。
未勝利に終わったシュペトレーゼ自身の産駒も概ね1勝級がいいとこで、正直繁殖能力そのものに疑問符が……。
で、モーリスが付いてサンデーサイレンス4×3とNorthern Dancer、Lyphardのクロス。
モーリス産駒の現状を見ると(ゆーてまだ2週分しかないけど)Northern Dancer強調型自体は特別悪いと思わない。とはいえ、
自身がすでに濃厚こってりNorthern Dancerマシマシなので、スピードを出しつつ緩さを和らげるにはやっぱり少し捻ったアプローチが必要ではなかろうか。
せめてもっと相似配合的に持っていって力技で誤魔化すとかね。
16.ルミナスグルーヴの19 モーリス 牡 153.0 169.5 20.2 392
「SR」
きたね。締まりキツめで程よい硬さを感じるモーリス牡馬。
遂にサイズ問題をクリアできたルミナスグルーヴが登場。このあたりはさすがモーリスである。
遅生まれでまだあからさまに子供っぽい体つき。その状態でここまで芯の強さを感じられれば上出来だろう。
みるみる良くなっていくと思われる。
母系の影響をひしひし感じさせるのはさすがというかなんというか。
グルーヴィットとかクリノガウディーなんかのイメージで見てる。
アクション大きめの力馬体質、ベースはマイル付近。みたいなところかな。
ハギーだし「思ったんと違う」方向へ成長していっても普通にダートで潰しきくんじゃなかろうか。
モーリスで当てたい気持ち強いのでこれは凸りやす。
なかなか繁殖として結果が出ないルミナスグルーヴ。祖母ソニックグルーヴはダイナカール牝系にしてはフレンチデピュティの影響が強いのか、わりと締まりの強い産駒を出してくるタイプ。
これにアグネスタキオンで本馬のクロスがサンデーサイレンスの4×3とノーザンテースト5×5なわけだけど、やってることは理にかなっているかと思う。
ただし母の産駒は母自身もそうであったようにサイズ面が付いてこない。
同系のスペシャルグルーヴにおけるグルーヴィットのような存在になれる可能性は無きにしも非ずだろうが、まずはサイズと体質がどんなもんかを注視したいかな。
17.アイスパステルの19 モーリス メス 154.0 178.0 18.5 440
「C」
可もなく不可もない、量産型サンデー入りモーリスだ。
前脚がわりと怖い。これで管囲18.5。ふむ。
初仔だしねー、なおさら怖い。
牝馬だと一度ズコーするとすぐ制限時間が迫ってくるからなぁ。
ちょっとリスク面しか浮かんでこないやw
今年わざわざこれにチャレンジする理由はないよね。
アイスパステルはアメリカの名牝メイプルジンスキー(Dayjurの姉)とサンデーサイレンスの子ミリオンギフトに、レディジョアンの半弟Shacklefordという配合。
競走馬としての結果は残せなかったけど、モーリスとの組み合わせはなかなか面白そう。
まずミリオンギフトのアウトラインがサンデー×ニジンスキー×ミスプロなので胴伸びがあって足元の造りが素軽いフレームをイメージできる。
そこにどっからどう見てもこれがアメリカだと言わんばかりの突進力とマッチョで愚直なパワースピードを伝えそうなShacklefordが付いたアイスパステルは血統通りの馬だった。弱かったけど。
モーリスでサンデーサイレンスの4×3、アイスパステルが抱える米血たちも日本に合う血ばかりだから日本の馬場への適応という意味では問題なかろう。
米血ゴリ押しアイスパステルとの配合ではメジロフランシスの欧血が良いアクセントになるよね。
これが牡馬ならな~。という感じである。
18 .ルールブリタニアの19 エピファネイア 牡 157.0 178.0 20.4 490
「SR」
おそらく、最上位人気の一角を担うことになるであろうお馬さん。
めっちゃエピファネイアっぽいね。
気になってたサイズ面はクリアしたけど、逆にこの大きさで前脚の怖さが増してる気はする。でもこれだけ柔軟性が高く可動域も広ければ大丈夫かなあ。
緩急に強くズバッと斬れるというよりは間違いなくストライド持続型だし、適性距離も長めだろう。このタイプのエピファ牡馬はまだトップレベルでやれてない。
とはいえ3500万なら確かに値ごろ感あるね。
母母がミュージカルウェイということで、ルールブリタニアはミッキークイーン等の全妹にあたる。
エピファは初年度から期待通りに所謂エピカメサンデーで爆発したわけだけど(望田先生さすがすぎる)
対照的に母父ディープは期待からすると案外な結果に終わった。
望田ブログでも指摘されていた通りエピファネイア×母父ディープで結果を出しているのはサドラークロス持ちばかりで
これは要するにエピファネイアのHabitatらしさと合わせるとオーソドックスな母父ディープでは細身で非力な軽すぎる馬が出やすいという
ロードカナロアと同じジレンマを抱えているという証左なのですね。
それだけエピファネイアにとってのHabitatや、ディープインパクトにとってのSir Ivor、ロードカナロアにおけるSecretariatの影響力は強いんだね。
して本馬。
サドラーはないけど母母父がNureyev直系のGold Away。エピファのサドラーとRobertoに合わせるミスプロ持ち。
早期からの強い後肢GETへの最低条件はクリアしているといっていいかな。
ただミュージカルウェイの系統はただでさえあんまり大きく出るイメージがない。
ルールブリタニア自身も450キロほどしかなかった。
この馬の最初のハードルはサイズ面でしょう。
もっというと女性的なキレやしなやかさのイメージが強い血統なので
牡馬いうのも体質的にどう出るだろうか。
あとやっぱりミュージカルウェイだと足元は気になっちゃうよね。
19 .クロンヌの19 エピファネイア メス 152.0 174.0 19.3 450
「NR」
さすがにちょっと筋肉質すぎて前も硬いかな。中山1800ダートとかで走ってそう。
初仔という部分と管囲19.3の組み合わせもちょっと嫌な感じ。もうワンサイズ、500キロ近くまではまず大きくなるだろうしなあ。
やってること自体は理にかなっているし、しっかり表現もされてるから上手くいけばコツコツ小遣い稼いでくれるかも。
現時点でのエピファネイアの配合論的セールスポイントとしては、シーザリオの血を持つこと。サンデーサイレンスの4×3を作りやすいこと。かつシンボリクリスエスを使った1/4非Northern Dancerの形にするのが容易なこと。あたりが簡単に浮かぶかな。
Northern Dancerの濃いサンデー系牝馬の受け皿として実に機能的なわけですな。
エピファ×ダメジャーはまだ極端にサンプル少ないけど、端的に言って合わない訳がなかろう。
クロンヌはゴールドティアラ産駒でMr. Prospector持ち。砂黄金トライアングル成分も弄る形になり好感。
初子だから、まずちゃんとサイズがあって、どちらかというと筋肉質で、でもしっかりしなやかさもある。そんな馬が出てきたらいいね。
20 .シャクンタラーの19 エピファネイア メス 151.5 175.5 19.8 463
「NR」
まさかの程よいサイズ感。見た目も歩きもほんとにサイズダウンしたシャクンタラーって感じだ。ゆーてまだまだ大きくなりそうで、そうなるとやはりこの脚はちょっと気になる。母よりはリスクない造りだと思うけど。
明確にパワー体質でロブロイの血特有の野暮ったさもある。
ダート馬っぽいが締まり強めで早期から動けそうだし、早期ならまだ芝でもやれそう。
スイートスポット狭そうなタイプなんで合う条件を重点的に使っていけるかどうかにも左右されそう。
今年の春クラシックの結果、そしてモーリスやドゥラメンテの産駒が実際にレースで走る姿を見ていて秘かに注目しているのが母の父ゼンノロブロイという血。
エピファネイアとの配合では実際に初年度からシーズンズギフトが出ている。
要するに、エピファやモーリスやドゥラメンテのような適度な緩さを伝えてくる種牡馬たちの子で(ハーツクライやルーラーシップなんかも同類)
2歳戦や3歳春に大きな戦果を残すためには、デインヒルやDanzigなんかでナチュラルに強い後肢を得るのが手っ取り早いわけで
例えばクロフネとかキンカメなんかと並んでゼンノロブロイも同じような使い方ができるんじゃないかなと。
んで本馬。
ただでさえ力馬的要素をストレートに表現してくるムガールにロブロイで
軽く530キロほどあったのがシャクンタラー。
さらに言うとこの一族は恵まれた体躯を伝えながら脚が弱いというわかりやすいウィークポイントがある。
サンデーだけじゃなくロベルトとサドラーまでクロスするんだよね。さすがにクドいw
母自身もクロスがきついタイプで本馬もこれだとやっぱ体質面が怖い。
どんな馬が出てくるかに興味はあるけど、ちょっとやりすぎ感は否めない。
砂黄金トライアングルを使って締めるパターンはもう少しスマートなやつの方が好み。
20番まで終了! おうちツアーなる新動画が27日にアップされるそうなので(おそらく周回動画がメインだろう)
それ見ちゃうとまただいぶ印象変わっちゃったりしてややこしくなるからなんとか27日までに一旦全頭レビュー終わらせときたい。頑張ろ。世間様の4連休が羨ましい。