第81回オークス。デアリングタクト63年ぶり無敗の2冠達成。サンデーサイレンスの4×3が届ける新時代到来の予感
はい。反省会の時間です。
これだけサンデー系で溢れかえっている国ですので、当然と言えば当然だけど
(オークス出走馬も16頭がサンデー系、デアリングタクトもウインマリリンも父系にサンデーサイレンスが入る)
ここまでエピファネイア産駒の賞金上位はだいたいサンデーサイレンスクロス持ち。
サンデー系繁殖の受け皿として、期待通りの働きぶりですな。
例えば競走馬としても種牡馬としても同期のライバル関係が続いているキズナと比較すると
こちらはすでに重賞勝ち馬を6頭輩出しているが、賞金上位にサンデークロス持ちは1頭のみ。
まだサンデー直系有力種牡馬ではだいたいサンデーが3代目にきてしまうから、そういう意味で3代目にサンデーサイレンスを持つ大多数の繁殖牝馬にとって
エピファネイアは理想的な存在であり、ここが現時点でライバル種牡馬たちに対するアドバンテージになっているといえる。
サンデーサイレンスのクロスからなかなか大物が出ない。
なんて言われた時期も長かったですね。いやさすがに功を急ぎすぎでしょってスタンスで眺めていたんだけど、望田先生の言っていた通り
ノーザンダンサークロスからは大物が出ないなんて声が大きかった頃もあったわけでね。
このクラスの種牡馬のクロスはほっといても時が来れば、結果を出しちゃうんですね。
戦前に書いていた通り、デアリングタクトのイメージは母系の影響が強い俊敏ピッチでわりとパワーマイラー感の強い印象だった。
ところが超高速馬場で中盤緩んだスロー気味の府中2400を、ひときわ目を引く反応と圧倒的な脚力でモノにしてしまう。直線だけでひっくり返してしまうあの感じ。
気性的なややこしさ、悍性の強さも含め
GOサインを受けると超加速で斜めに切れ込みながら俊敏に、周りが止まって見えるほどしなやかに斬れるあの姿はまさしく往時の大物サンデーサイレンス産駒そのものでした。
脱帽です。
12.3 | 11.1 | 12.0 | 12.3 | 12.1 | 12.7 | 13.0 | 12.6 | 12.1 | 11.2 | 11.2 | 11.8 |
キングカメハメハとディープインパクトがこの世を去り、サンデーサイレンスを持たないロードカナロアが次代の覇権を握るのかと思われたが
結局3歳春のクラシックではサンデーサイレンスの血の力こそが正義であり
我々は未だその魔力から逃れられないのだ……。みたいなことになっていきそう。
今年の新種牡馬モーリス産駒のサンデーサイレンス4×3クロス持ちも大注目ですな。
来年以降ディープインパクト産駒やハーツクライ産駒などの本命級後継種牡馬も続々とデビューしてくるし、優良繁殖牝馬の持つサンデーもさらに1代奥へ引っ込んでサンデー直系種牡馬たちにもちょうどいい存在に変わってくる。
サンデーサイレンス産駒黄金時代に競馬へのめり込んだ僕としては胸に来るものがあった。良いもん見せていただきました。
エピファネイアやモーリスで今の春クラシックを狙うならサンデークロスはもちろん生かしながら
母方から『強靭な後肢』と『俊敏な脚捌き』を補強する必要があると思うので
デアリングタクトのように、キンカメでちょっと体質締めてDanzigケツとTom Fool的な俊敏加速を与えるみたいな、そんな仕掛けのある馬が良いんだろうなあ。
そういう観点でもモーリス産駒の2歳は相当に粒ぞろいなので大暴れしそう。
そやねん…Habitatやねん……、なエピファネイアにDanzigプリケツを足してあの俊敏華麗な脚捌きを累進継続したらしっかりこんな化け物が出てくるんだから本当に競馬はおもしろいね~。
◎デゼルはパドックの姿を見るとやっぱり「まだ早いかな」という感想で
頼りなさが目立ったし、レースでもここぞでギュッと踏み込めなかったり
伸びかけたところでガス欠しちゃったり、そりゃそうだよなってある種納得させられる内容でした。
中盤緩んで直線ヨーイドンになりすぎたから余計に、まだ後ろが弱くて一気にギアチェンジできない弱さを露呈する結果になったかな。
上位入線馬がわりとこのメンバーではパワー体質寄りの馬ばかりだったのは興味深い。
今の高速馬場で必要な持続力という部分の解釈を改めとかなきゃいけないかもしれないなー。