2020年 第15回ヴィクトリアマイル回顧 改めて浮き彫りになったアーモンドアイの圧倒的な高速巡航能力
府中は前日に想定以上の降雨があったものの、それでも冗談みたいなタイムが出ていた昨年と同等の高速馬場
当日もとにかく速くて、しかし内外の差はさほどなく、東京競馬場のこの馬場状態で必要な能力を適当に言語化したら
1600mの最初から最後までハイラップを刻み続けるスピード持続力&持久力と、そのラップの中で更に違いを生み出すためのトップスピード能力の高さ
みたいな感じだろうか。
アーモンドアイ最大の長所である圧倒的な高速巡航能力がモノをいうのはやっぱり府中のこういう馬場のときなのだなと。
なんてったって4番手追走から1400mを持ったままで1分19秒切れちゃうんだものw
ハロンタイム | 12.0 - 10.9 - 11.3 - 11.4 - 11.1 - 11.2 - 11.1 - 11.6 |
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上り | 4F 45.0 - 3F 33.9 |
予想するうえでまず悩んだのはこんな高速府中で18番と16番を引いてしまったサウンドキアラとノームコアの2頭の取捨。
普通に考えたらアーモンドアイの相手本線はこの2頭になるわけだけども、この枠で予想を乱された方も多かったことだろう。僕もそう。
想定ペースで道中外々を回るのは普通に考えてかなりの負担になるわけで、自然とラップが締まるんだからそれは当然の話。
Twitterの方でも言ってた通り、当初はアーモンドアイとサウンドキアラのワイド1点のみで打つつもりだったんだよなあ。
セラピアが消える前は正直もっと前半流れて縦長気味から内枠穴馬勢が差し込める形になるんじゃないかと考えてた。なので余計に16番と18番は痛かろうと。
しかし16頭になった時点であらためて展開を読み直すと、、、
番手でもいいという姿勢だったトロワゼトワル。それはコントラチェックの存在が頭にあったんだろうが、ただでさえ繊細を極めるこの馬で、豊さんが高速府中マイル替わりのこの枠から是が非でもハナを取りに行くとは思えず
実際三浦が内の馬を制しに主張したら豊さんもスッと引いていった。
サウンドキアラはそのコントラチェックに付いていき好位を取るしか選択肢がなかったわけだけど、スタート直後に僥倖。
戦前みんな出していく気満々、ワンチャン狙いのポジション取りたくて仕方なさそうだった内枠勢がこぞって出負けした。
おかげでそれを見た松山はすぐさま内目3番手という絶好位を握りに行き労せず収まることができたわけだ。
結果的に狙っていた内枠勢は最初の1ハロンでほぼ全滅。ゲートに悩んでいたシゲルピンクダイヤは好スタートも、彼女は緩急あった方が良いタイプ。ヴィクトリアマイルのレース質とは本質的に合わない。
ダノンファンタジーの川田は内心自信がなかったのか、せっかくのトップスタートを活かすどころかなぜか抑えて自ら勝負を投げるポジション下げ。
自信に満ちた松山とは対照的な動きだったなあ。
後傾ラップになったことで一層強さが際立ったのがノームコア。
ノリさんはスタートを悔やんでいたけど、普通に出れていればサウンドキアラと際どい2着争いはできたかな。結果的に縦長馬群になったおかげで外を回りすぎるロスも避けられた。
この馬もとにかく高速馬場のハイラップ持続戦に強い馬。VMやエリ女がリピーターレースなのは単純に続けて同じ様な質のレースになりやすいからだよね。
ラヴズオンリーユーの正体もハッキリしたかな。やっぱりしなやかすぎてこのレベルではトップスピードで劣り、加速力という名の切れ味よりも持久力に優れたスタミナが強みの馬だね。
現状ちょっとスピード能力落としたリスグラシューみたいなイメージでいいかな。
ここからもっとたくましさが出てくると楽しみだ。
スカーレットカラーはデキもよく期待していたけれど、経験不足がモロに出た感。
ビーチサンバは来年もう一度狙ってみたいので、なんとかまともにスタート出られるようになってほしい。
反省会としてはこんなところか。
なにはともあれ、アーモンドアイ様には脱帽という他ありませぬ。
スタートのタイミングだけが心配だったんでしょう。
自分が入ってから最後にサウンドキアラが入るまでルメールはちらちら気にしてタイミングを計り、見事な好スタート。
いやほんと、お見事でした。
(この集中力ならそのまま持って来るやろと最終のグランソヴァールに張ったら頭差4着に悶絶したよね……)