(アニメ)LISTENERS リスナーズ3話がエモすぎて…… You Made Me Realise
脚本・佐藤大
この名前と絵面から、そして1話を見ればみんなあの名作エウレカセブンを思い浮かべたことでしょう。
僕にとって最高の藤原啓治といえばエウレカのホランドであり、藤原さんの演じるキャラクターにはいつも大切なことを教えてもらっていた世代です。
今でももう新しい藤原さんの新しいキャラクターを見ることができないなんて信じられない。
謹んでご冥福をお祈りいたします…。
1話を見た段階で、なるほどこれは『音楽』そのものを掘り下げるつもりか骨が折れるぞー
なんたって解釈違いを最も起こしやすいジャンルなんだもの。特に洋楽はね。
くらいな感想を持って、正直あまり興が乗らんかった。
乗らんかったんだけども、さっそく3話にシューゲイザーがキタと聞いてこれはあらためて視聴してみないかんなと。
そもそも公式のキャラクター一覧に「ケヴィン・ヴァレンタイン」と「ビリン・ヴァレンタイン」がいて
しかもcv.山寺宏一と水樹奈々なんだぜ? 強すぎない? さすがにワクワクするじゃん。シューゲイズ回だけは逃せなかった。
このサブタイ画面見た時点でもう心臓わしづかみにされたよね。
たくさんの思い出がフラッシュバックしたよ。憎いことをしやがる。
そして中身も最高だったんだよ!
エモすぎるセリフのオンパレード。考えるな、感じろ、と言わんばかりに押し寄せる大洪水。そうだよそれがシューゲイズだよ。
「チェルシーガール」にキュンとして
トレモロ技研にビクンとなって
ジミ・ストーンフリーのネーミングでやっぱりちょっと笑って
真紅の麗人で、見ながら飲んでたアルコールが沁みて
「ライク・ア・デイドリーム…白昼夢みたいにね」めっちゃライドで押してくるやん
ライドを引用するビリンが精神論を語るのもグッとくる。
一番大切なものは信念。中身は何だっていい。誰かに伝えたいと思う強い気持ち。それが道となり光となって…。
2人と出会い、主人公エコヲはハッキリと決意する。「ミュウ、僕は君と世界を見に行きたいんだ」
しっかりとした旅の目的がここでできたんだよね。
「光の少女とリバチェスタの少年…か」って呟くところの山ちゃんが山ちゃんすぎて最高。
「なあビリン、今日、世界が変わると思うかい?」はマジでうおおおおおおおおおおおおって声出た。
控えめに言って最高の3話だった。本当の意味でメイン2人の物語が始まる回にシューゲイズを持ってきて、山寺宏一と水樹奈々に導く大人役を担わせて、まったくスキのない素晴らしい回だった。
なんといってもシューゲイザーに対する解釈が自分とまったく一致していたことが一番大きい。
これなら安心して推していけるw
見よこの圧倒的キャスト陣。震えるわ。田中敦子さんのキムとか諏訪部さんの殿下()とかうえしゃまのジャニスとか
公式の音楽的解釈がだいたいわかってきたのでどんな話になるのか想像しやすいのもまた良い。素直に期待が高まる。
僕がシューゲイザーに、 My Bloody Valentineに、Lovelessに、Isn't AnythingやYou Made Me Realiseに出会ったのはもう20年近く前の話で
あの頃はとにかくどんどんどんどん古い音楽を掘り返していくのが楽しくて、音楽に生かされている実感もあったのだけど新しい音楽を待ってるのがイヤで、だからまだ知らないモノを探し回ってた。
ついに見つけた。出会えた。と当時感嘆したのがマイブラでありシューゲイズだった。
ひたすらに押し寄せる轟音ノイズの大洪水。「ノイズ」と形容される轟音にもかかわらず、なぜか不思議と心地いい。むしろ精神が澄み切っていくようで。
ここで僕はやっと音楽の本質の1つを理解できたのだと思う。
音楽は単体ではなく、受け取る側も含めて一体なのだと。
どんなものでもそれを聴く人によって感想が変わる。
シューゲイズにはこれを本能でわからせる力があった。暴力的なまでに。
君は僕を覚醒させた。
おかげで少しだけ他人に優しくなれたよ。
リスナーズの2人が旅立つキッカケが当時の自分とリンクして一層グッときたというお話。